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【旅立ちの日】父と祖父からの私へのはなむけ。ものづくりが仕事だから。

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旅立ち・父と祖父からのはなむけ







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東京の下町で、日々革ものづくり。 工業用ミシンで仕立てる革バッグデザイン教室・レザークラフトワークショップをおこなっています。サブカル目線での研究・考察が好き。

東北の中途はんぱな片田舎。

18才、高校を卒業してすぐ、なにもあてもなく
「革をやりたい。」それだけで大都会東京に向かうその日のこと。

 

ほんの少しの荷物は宅配便で送った。

あとは手持ちの、さらにほんの少しの荷物だけ。私には何もなかった。ゼロからのスタートだった。

 

 

家を出る時、父と祖父、それぞれに渡されたものがある。

 

父と祖父からの私へのはなむけ

 

ここから先のセリフは東北なまりでお楽しみください。

 

 「これ、もってげ~。」
  (これを持っていきなさい。)

 

鈴木 「え?荷物になっがら、いんね。」
   (え?荷物になるから、いらないよ。)

 

「あっど便利だがら、いいがらもってげ~。」
 (あると便利だから、いいから持っていきなさい。)

祖父「んだんだ。」
  (そうだよ。)

 

鈴木「そうけ。んだらもってぐか。」
  (そうかなぁ。それじゃあ持っていくね。)

 

父からは工具。

祖父からは油砥石。

 

役に立つのかな?荷物、重いな。
あの時はそう思っていた。今、振り返ると懐かしいな。

 

父の工具

 

六角レンチ・ドライバーセット・モンキーレンチ・メガネレンチ

 

父は、特殊車両のエンジンの設計と組み立てが日々の仕事だ。

 

旅立ちのその日、
新調したから余っていた工具を私にくれたのか、私にあげるからと工具を新調する口実が欲しかったのか、、、
真実は分からないし聞かないけど、たぶん・・・ただ単純に父が今まで仕事で使っていた工具を、私に使って欲しかったんだと思う。

 

これから自分で生きていきたい、そう思っている娘に、自分の仕事道具を渡す。
言葉が無くても、伝わることはあるんだな。

 

工具類

 

 

祖父の油砥石

 

油砥石。祖父手製の板付きだ。

 

祖父は、木材加工所に務めていた。
仕事以外でも、木工・金属加工、釣った魚の調理など、何でも手先器用にこなしていた。

私は油砥石なんて、使用用途も分からなかった。
自分に必要なものかどうかさえ、その時は判断が出来なかった。

 

砥石

 

 

時は経ち、あの日から17年後

 

あと一年で、育った田舎より、東京での一人暮らしが長くなるんだな。
でもさ、東北なまりって抜けないもんだな。

 

父と祖父から渡された道具類。

私にとっては、無くてはならないものだった。

 

メガネレンチやモンキーレンチは、ミシンの調整に必要だし、
六角レンチは家具の組み立て、自転車の整備、レザークラフトの道具のネジ締めに、
ドライバーはしょっちゅう使う。

 

写真はスーベルカッターと六角レンチ。
刃の取り換えにレンチが必要なんです。

スーベルカッターと六角レンチ

 

 

 

鈴木、すっかりこのドライバーの見た目の虜に。

キャンディーみたいで可愛い~(*’▽’)/

 

ドライバー

ドイツ製リッパーは、見た目重視で購入したため、全く期待していなかったけど、切れ味抜群!!

 

 

 

油砥石はここぞ!の時。
硬い刃物の目立てをするぞって時、あのサイズ感がとても便利。

 

んん!?・・・鈴木さん、いつのまにかに砥石コレクターになっていません?

 

写真、手前にある板付きの黒い砥石が亡き祖父の油砥石。
いつのまにかに増えた砥石コレクション。

砥石

 

砥石の種類に興味のある方はこちらからどうぞ。
革包丁を研ぐための手入れ用砥石は最低何種類必要か?【ココロネ革教室・革包丁と砥石】

 

 

まとめ

 

父と祖父から、譲り受けて良かったな。

きっと、父も、亡き祖父も喜んでいると思う。

 

3人とも同じ仕事ではないけれど、
「ものづくり」は共通点。

 

製造業はいまになくなる。仕事にならない。そうかもしれないけど、私はその日が来るまでは、ものづくりを辞めないだろうな。

 

 

終わりに。

この前、数年ぶりに田舎に帰って、父に
「あの時、工具をもらっておいて良かったよ。」と伝えたら

 

「そうか、んだら、もっといいヤツやっか?」
 (そうか、それならば、もっと良い工具をあげようか?)

 

鈴木「うん。とりあえず大丈夫!!ありがとう。」

私は、そう答えた。

 

 

 

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