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月世界旅行【史上初SFファンタジー映画。それはジョルジュ・メリエスからの116年の時を超えた音のないメッセージだった】

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世界最古のSF映画の月世界旅行のイラスト







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東京の下町で、日々革ものづくり。 工業用ミシンで仕立てる革バッグデザイン教室・レザークラフトワークショップをおこなっています。サブカル目線での研究・考察が好き。

2019年元日。
今から116年前にこの映画は誕生した。ジョルジュ・メリエス監督作「月世界旅行」

約14分間の月旅行。

映画が記録映像から、映画は人々の夢や想像をのせた物語へと変化を遂げる。

 

「月世界旅行/メリエスの素晴らしき映画魔術」の感想を鈴木が好き勝手に語ります。

感想は目次2からです。

「月世界旅行」と「ヒューゴの不思議な発明」の関係

ヒューゴの不思議な発明とロケットが突き刺さった月

 

私はマーティン・スコセッシ監督の映画「ヒューゴの不思議な発明」「月世界旅行」とジョルジュ・メリエスの存在を知った。

 

 

孤独な時計修理職人の少年ヒューゴ。父が遺した機械人形を修理することが生きがいだった。
少年ヒューゴが心を許した少女イザベラ、彼女が身に着けていた秘密のカギでついに機械人形は動き出す。

機械人形はある1枚の絵を完成させる。

「ロケットが突き刺さった月」とジョルジュ・メリエスのサイン

少女の父の名はパパジョルジュ。ここで実話とファンタジーが交差する。

 

「ヒューゴの不思議な発明」は映画創世記を生きたジョルジュ・メリエスの栄光・挫折・再起を描いた実話と孤独な少年ヒューゴを主人公とするファンタジーを織り交ぜた、マーティン・スコセッシ監督からのあふれる映画愛と新たなる映画への挑戦だと、私は感じた。

事実、この映画でマーティン・スコセッシ監督は初めてデジタル3D映画を撮っている。

「ヒューゴの不思議な発明」の感想は別の機会に語りたいと思います。

 

映画創成期においての月世界旅行

 

映画の父、これは意見が分かれるが、リュミエール兄弟のシネマトグラフを軽く説明したい。

 

世界初の映画の基準を、商業目的で一度に大勢の人に向けて上映する、とするのなら

1895年フランス、リュミエール兄弟作「工場の出口」である。

工場の出口から働いている人々と大きな犬が出てくる様子を撮影した50秒ほどのドキュメンタリーである。

白黒のサイレント映画。

 

1896年フランス、リュミエール兄弟作「列車の到着」。こちらの方がインパクトがあるので映画黎明期というと思い浮かべる方が多いかもしれない。こちらも50秒程の白黒サイレントドキュメンタリー映画。

 

 

そんな映画創成期である1902年に「月世界旅行」は誕生した。

これまでの映画との違いは、現実の記録映像ではなく、人々の夢・想像の物語にしたこと・マジシャンであったジョルジュ・メリエスだからこそ湧き出るアイデアを、史上初の特殊撮影技術(SFX)で表現したことだろう。

14分程のサイレント映画。カラーがない時代にカラーである。この秘密は「メリエスの素晴らしき映画魔術」にて語られる。

「列車の到着」「月世界旅行」も、当時の人々が感じただろう驚き・新しいものへのワクワクする気持ちは現代を生きる私にも簡単に想像できる。





 

月世界旅行のあらすじと感想

あらすじと感想

 

私はヒューゴの機械人形が描いた「ロケットが突き刺さった月」のイラストを見て、とても興味を持った。うわっ、なにこれ?すっごく好きな世界観だ・・・

その後DVDで「月世界旅行/メリエスの素晴らしき映画魔術」を見た。

 

感想。嬉しい!嬉しい!嬉しい!!!116年前にこんな素敵な作品があったなんて。まるで贅沢なお遊戯会をそっと見ている気持ちだった。

サイレント映画だが、現代を生きる私にも分かる(いや、とっても分かりやすい)ストーリーである。

あらすじはこうだ。この映画には「ネタバレ」はないと思うが最後は伏せます。

 

月に行く人手を挙げて~。よし、ロケットの準備だ!トンカン、トンカン!工場の煙で月が見えないね、、、

大砲でいざ出発。ロケット発射!月に刺さって無事到着。さぁ、月を冒険、、、わっ、月星人!?逃げろ・戦え、、、その後は・・・・

 

カメラは固定アングル、セットは書き割り、フィルムはつぎはぎ、カラーは何だか変だし・・・
(もともと無声映画ですがDVDでは、現代音楽が流れます。好みがわかれるかと思いますが、私は3分で慣れました。無声より音付きが好きです。)

 

でも、その時代、すべての技術・アイデア(アイデア勝負感が強い・さすが元マジシャンのジョルジュ)を用いて作られたこの映画は、

間違いなく傑作と呼べる。いや、「宝物」という言葉がいいな。

 

注目!鈴木のおすすめシーン

  • 6人の旅人、カラフルな布団でおやすみなさい
  • おやすみなさいの後は、北斗七星→星・月・土星が見守るよ
  • 傘のキノコがグングングン
  • へぇ、そんなふうに帰るんだ、、、あっ、でも間違いではないな

 

月世界旅行のワンシーンのイラスト

固定アングルのため、お遊戯会や演劇の雰囲気がある。それだけで可愛い。

 

メリエスの素晴らしき映画魔術のあらすじ

 

まずはじめに、これはドキュメンタリー映像である。前半と後半で内容がかわる。

 

リュミエール兄弟によって発明されたシネマトグラフ。それに魅了されたジョルジュ・メリエスが、いかに映画創成期に自身のアイデアを形にしていったのか、史上初の特殊撮影技術(SFX)、その誕生のきっかけが語られている。

 

ガラス張りのスタジオにて11時~15時までの自然光での撮影。分業化されていないがため、監督自らがおこなう脚本、演技指導、そして工夫を凝らした舞台美術。一枚一枚手塗りして作ったカラーフィルム。当時の人々は彼の魔術ともいえる映画に魅了された。
(空前の大ヒットとなった「月世界旅行」は商業的にははある問題でうまくいかなかったそうです。
国際間の著作権があいまいだったため、発明の父○○○○が海賊版で大儲けしていたなんて・・・( ゚Д゚))

 

そして時代は移う。ジョルジュ・メリエスは表舞台から姿を消すこととなる。ネガもフィルムも失意の彼自身によって、炎に包まれ消え去った。それは人々の記憶からも・・・

 

それから100年後の現代、ジョルジュ・メリエスの作品をもう一度、世に出したい。
1993年、スペインにて奇跡的に発見されたカラー版フィルム。劣化が激しく復元が出来ない。「もう一度、世に出したい。」その奇跡を起こすために、現代の人々は技術の進歩を待った。そして2011年カンヌ映画祭にてジョルジュ・メリエスは、再び観客の喝采を浴びることとなる。

 

前半が、夢と想像の世界を人々に与えた映画監督ジョルジュ・メリエスの映画人生。栄光と挫折。

後半が、フィルムの発見から約20年にわたる、復元作業への技術と人々の想い。現代の映画製作に携わる人が言った言葉。「すべてが新しい技術の発見となるあの時代を生きてみたかった。」

 

ジョルジュ・メリエス。「映画」は116年後の今も私に魔術を見せてくれています。

 

 

 

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